2008-01-01から1年間の記事一覧

笹かまぼこのこと ―白謙の蒲鉾―

「阿部とか鐘崎とか、大手の有名なメーカーはたくさんある。 でも、本当に旨いのは白謙ってメーカーなんだよ。 仙台ではね、ここの蒲鉾を盆暮れに贈ってくると、 『お、こいつは俺のところを本気で大事に思ってくれてるな』 って思われるほどなんだ」 小さい…

タイアップ商品

破壊屋さんのブログなどで素晴らしく料理されていた作品、『まぼろしの邪馬台国』。 チケットの価格破壊は様々な方々がネタとして取り上げてらっしゃいましたが、 (参考写真・渋谷の大黒屋にて) 成人ならば六分の一価格にまで……。 一部情報では150円まで下…

素晴らしき祐天寺の笑口房のランチ

「同じサービス人として頭が下がる思い。それぐらい素晴らしいの」 中目黒「RED BOOK」のアイちゃんが絶賛するので、早速行って来ました祐天寺の中華、笑口房。 確かにここのランチ……うまい、美味しい! 写真は「赤魚のカレー風味甘酢炒め」、これに小鉢で …

パン・オ・レザン

パン・オ・レザン。 レザンは日本語でブドウ、つまりはブドウパンのこと。 さくさくの生地にラム酒に漬けた干しブドウがいっぱい入った甘いパン。 甘いものに特に執着はないけれど、これだけは好きで好きで仕方がない。 以前パリに行ったとき、「いっちょ食…

青森からの贈り物

蜜がギッシリと詰まった赤いリンゴ。 光にかざせば、向こうが透けるほど。 田舎の父母が贈ってくれました。 なんだか、新しい生命が宿っているようです。

『嚆矢』のワンタンメン

ワンタンが好きだ! 狂おしいほどに好きだ。写真は駒場東大前『嚆矢』のワンタンメン。なまめかしい舌触りの皮に、口の中でサラッとほぐれる餡の味つけは上品、かつ旨味充分。大きさは赤ちゃんのこぶしぐらい、そのプルンとした弾力感がたまりません。スープ…

カンノーリ ―イタリアのお菓子―

先日、とあるイタリアンで出てきたこのお菓子。 カンノーリ、という名前はそのまま「円筒形」という意味なのだそう。シチリア島の伝統菓子だという。生地はカリカリ、中はリコッタチーズを使ったクリームが入っている。見た瞬間、懐かしい思い出がよみがえっ…

柿の思い出

新潟県の下越地方に、新発田市というところがある。日本酒好きの方には、「菊水酒造」の里としてご存知の方があるかもしれない。そこから更に車で30分ほど、山あいを進んだところに、母の実家があった。赤谷、と呼ばれていた小さな村。 山を越え川を越え、一…

だんご・団子・ダンゴ

「桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけたきびだんご ひとつ私にくださいな」 岡山出身の友人から聞いた話。 彼がある日、お土産を友人に渡したときのこと。実家の名物、「きびだんご」を渡したのだそうだ。友人はしばらく押し黙って何か考えたのち、突き返して…

お茶漬けの味

お茶漬け、というのも人によって千差万別だろう。多めによそってしまい、どうにも持て余したご飯を流し込むためにお茶漬けにする人もいるだろうし、しっかりと山葵をおろし、塩鮭や粕漬けをわざわざ焼く人もいるだろう。 歌舞伎の定式幕にならったデザインで…

ブドウ連想

ブドウ、それも巨峰を見ると思い出される1シーンがある。 昔のドラマで、平岩弓枝ドラマシリーズというのがあった。 平幹二朗(私は、「面妖」「魁夷」という文字を見ると、このひとを思い出してしまう)が 愛人の女に、ネチネチとした「よしなしごと」を、…

浅草・色川の「手」

この手に、見惚れた。浅草の鰻屋「色川」は雷門の程近く。 入り口の脇から威勢よく煙が昇り、いいにおいが風に乗る。 引き戸を入れば、すぐ隣が焼き場。 私はその焼きのリズム、タレにサッと付けてまた焼く動きの無駄のなさ、 そしてうちわの「音」に、まず…

石垣島ラー油

ああ……嬉しいなぁ! ひょんなことで「石垣島ラー油」にバッタリ出逢えた。私は不勉強にして全く知らなかったが、一部では相当有名なラー油だったよう。今夏、そのラー油の造り手さんが書かれた本が出版されたばかりで、それを読んで「うーん味わってみたい………

豆腐の味

味噌汁に豆腐って入れるもんなのか――私はすっかり驚いた。 小学校のときの話である。その頃私は、仙台に住んでいた。福島の会津若松に修学旅行に行った朝のこと。豆腐にワカメのお味噌汁が出た。私は軽く驚いて、ふと隣にいた友達に、こう漏らした。 「豆腐…

梨とリンゴと、デボラ・カー

梨をむく。 皮に包丁を入れると、うっすら汁気が滲んでくる。梨のみずみずしさは、格別だ。すごいのは、むくうちに滴が垂れるものすらある。歯触りも香りも、梨でなくては味わえない独得のものだ。その味恋しさに、手間はかかれど梨をむく。果汁でぬれぬれに…