だんご・団子・ダンゴ

 

「桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけたきびだんご ひとつ私にくださいな」


 岡山出身の友人から聞いた話。
 彼がある日、お土産を友人に渡したときのこと。実家の名物、「きびだんご」を渡したのだそうだ。友人はしばらく押し黙って何か考えたのち、突き返して、ひとこと。
「お前の家来になるみたいだから、いらね」
 そういわれた彼は、確かにクセのある人だった。「お山の大将」という言葉が似合うというか。
 彼は何の意識もせず「名物だから」と買ってきたのだそうだが、確かに「きびだんご」を目上の方、同輩にプレゼントするのはいささか問題があるかもしれない。


 写真は、東銀座の岩手物産館に入っている「芽吹き屋」の団子。素直なで濃厚な草餅、桜餅、味噌餅の団子が、とても美味しい。試写室が多い銀座界隈にうかがう際、いつもついつい求めてしまう。歌舞伎座(真向かいだ!)観劇の際にもおすすめです。


 追記:本当にどうでもいいが、今「かつみ・さゆり」としてテレビで時折見かける「太平かつみ」、彼は昔、「きびのだんご」という人と組んで漫才をしていたはず。彼はいったいどこに行ってしまったのだろう。


(文=白央篤司)