池ノ上散歩

 京王井の頭線で「駒場東大前」の次、「下北沢」の手前の駅、それが「池ノ上」。

 ちょっと前の本になりますが、大田垣晴子さんの本『ぐうなび』で紹介されてたんですね。
「最近友人の間で話題になる、私鉄各停の小さな駅」で、地元っぽい気さくな感じが心地いい…と。そして『ねぷた』という青森料理の店の探訪記が描かれていました。

ぐうなび

ぐうなび

(2009年発行の本。私もちょこちょこ登場してます。プロの絵師に顔を描かれるのは嬉しいものだ)
 
 この日はあまりにもうららかで気持ちよく、ふと思い立って、池ノ上散歩へ。この『ねぶた』さんがどの辺にあるのか下見もしたかったし、何よりうちから自転車だと15分しないぐらいなのです。あ、きょうはごはんネタはありません、あしからず。。

 駒場から代々木上原につづく道。ずーっと白いハナミズキの並木道。きれいだけど、東京ってこんなにハナミズキ多かったっけなあ。年々増えている気がする。特に世田谷のハナミズキの植樹率たるや! 区樹なのかと一瞬思ったけど、ケヤキでした。ちなみに区の花は鷺草。これまた意外。
 さて上原目指す方向からちょっと左折して直進すれば、もう池ノ上・代沢エリア。

 駅前すぐにあった八百屋さん。国産レモンが1個100円。その他みな安かった。近くにほしい。

 駅周辺をウロウロしてみましたが、個人商店がまだまだ生きているなあ…素晴らしい。それらがギュッと液を中心にして集まっていて、なんとも住みやすそう。この八百屋さんの近くには肉屋、ケーキ屋、カレー屋、鎌倉ハムの店&喫茶店、配達OKの蕎麦屋なんかがあり。

 駅前通り沿いにあったスペイン居酒屋。すごい存在感でした。

 でもランチはナポリタン、ピラフ、カレーライス。そして580円。安いのう!

 この通り沿いには古本屋さんも。いいねえ。個人古書店のある町はそれだけで15点評価アップだ。応援したいものです。我々みたいな商売だと本を処分するにも個人店があると嬉しいんですよ。ブックオフに売るのはやっぱり抵抗がある。

 個人的に池ノ上散歩で一番ひかれたのがここ! お魚屋さんの『魚春』さん、なんともいい風情だった…。個人商店の魚屋がある町、東京中央部でどのくらい残っているのか…。

 軒下でアサリが潮を吹いている光景というのは私にとってたまらないノスタルジーでした。小さい頃を過ごした仙台の魚屋さんというのはこういった貝類、そしてホヤが発泡スチロールの中でぴゅうぴゅうと潮を吹いていたもんです。それを店先で眺めるのが、好きだった。




 干物まで作られていましたよ。このあと取材だったので買い物できなかったのが心残り。近々絶対再訪しなきゃだなあ。

 あちこちで藤が。そこかしこに熊蜂の羽音。大きな体を藤の花の中にもぐりこませて一心に蜜をむさぼっている。熊蜂のハチミツというのはあるのだろうか。

『ねぶた』さんは線路沿い駅すぐにありました。
 近々魚や古本を買ったり、夜に遊んだりと池ノ上、もうちょっとうろついてみます。

〇お知らせ
雑誌「おとなの週末」公式サイトで食コラムを書かせて頂いてます。
よかったらのぞいてみてください!
第3回 東京の長崎人がすすめる皿うどんの店

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