大根の下準備・あれこれ
以前、おでん屋さんの特集をやったとき、大根の煮かたをいろんなお店に教わった。
私は常々、家で煮るおでんと、おでん屋のおでんはなぜかくも別物になってしまうんだろうと、不思議だった。
そりゃあ当然、あんなに様々な具があるのだもの、染み出るダシが違うってのはあるだろう。に、してもあまりにかけ離れている。特に大根。じっくり煮ても、煮ても、いい塩梅になりゃあしない。くやしかった。
各店もちろん様々なスタイルがあるのだけれど、どうやら下煮がポイントのようだった。
大根を一度水から煮て、中の水分を出していく。その上でダシをしみこませる、という順番が大事なのだという。これも各流派あって、米のとぎ汁を入れるところ、米粒を入れるところ。面取りする・しない、隠し包丁の幅、入れ方も様々。下煮したあとで水にさらす or 軽く煮る…ディテールは各店本当に千差万別で、その研究の微細さ・念の入りよう、並々ならぬものがあった。
そんなこんなで、いろいろと大根を各店のスタイルで煮てみては、さまざまな味付けでバリエを変えて作って、楽しんでいる。
おでんは無限。ダシの種類、醤油の種類、ネタのあれこれ…その組み合わせ、まさにエンドレスのおでん世界だ。
今日は松陰神社『おがわや』さんの練り物をたっぷり入れてみた。安くてじつにおいしい。なかなかうまく出来あがった。いわしのつみれを竹串でさしてみると、ちょいと「みば」も良くなるもんである。
昔はストーブの上に鍋が置かれているのが我が家の冬の風景だった。ことこと煮られるストーブの上から香り立つおでん。エアコンの我が家ではそうはいかない。それが、残念である。