新潟県西蒲原郡巻町『割烹 渡辺』

 この日は一路、新潟へ。
 某誌の取材を終了させ、日帰りで帰れるところを一泊してきました。
 燕三条から車で20分ぐらい、巻町というところにある『割烹 渡辺』。昔の友人がここで板前をやっているのです。久々の再会、前に彼に会ったのはいつぐらいだったろう。

 初めて伺えば大変に立派な一軒家で、彼のご家族みんなで営まれている。中庭の枝垂れ梅が見える奥の個室に通され、なんだか政治家になったかのような気分。つい下手に座ってしまう。
 ちょうど「蛍が見事な季節なので、ぜひ遊びに来ませんか」と誘いを受けていたんですね。近くに蛍の名所があるのだとか(岩室温泉の冬妻ほたる祭、というのが有名なんだそう)。
 私はまだ人生で蛍を観たこともなかったので心動かされ、それではと厚意に甘えたくなり。

 運ばれてくる新潟の旬のあれこれを頂きながら、なんと果報なことかと、胸がいっぱいになって、困った。ありがたくも自然と神妙な気持ちになりますね。ワタナベ君、いや昔流に、あのナベがこんな立派な料理をこしらえるようになるとは。
 以下、彼の心づくしです。
 

 おいしゅうございました。ご飯の炊き加減まで結構・・・なんですが、もちろん思うことはあり、それはキッチリと伝えてきたけれど(笑)。ここで忌憚ない意見をいうのが本当の愛情というもの。
 もっともっと、いい料理人になってください。ナベ、ありがとうよ。

 本当に、ありがとうございました。いたみいります。