銀座『王十里』

 三越新館のこのお店、知らなかったなあ。

 左の写真、「アサリの塩漬け」というメニューです。これが実にんまかった。
 生のアサリを漬け込んであるんですね。塩漬けにしたらシューっと水分抜けてスカスカっとしちゃいそうに思えるが、いい具合に身は柔らかく、生の感じが残っている。でもそれがイヤな生感じゃなくて、フレッシュさがきちんとあって。
 えらく辛じょっぱそうに思えるでしょうが、まったくそういうことないんですね。旨味がまず第一位にきて、そこからたっぷり野菜の素材感、そしてそれを引き立たせるための程よい辛さと塩味(これもきつくない、まるみのある塩味)が感じられてくる。これ貝好きにはたまんねえぞ。

 こーいうものを作り出す人は何作ってもうまいね。李さんという方が料理人だったんですが、彼女の育むホルモンのおいしかったこと。それは10月売りの雑誌でご紹介します。

 右は「特上ミノの炒めごはん」炒めたものを薄い鉄板に敷いてあります。これも実にいいシメ品だったなあ。食べ物を咀嚼する喜びを思い出させてくれるひと皿だった。