成田山取材・1

 昨日とこの日は成田山新勝寺と参道にあるお店の取材。外国人観光客向けのガイドブックのお仕事でした。

 成田の参道は鰻屋さんがいっぱい。これは『下田康生堂』さんの鰻寿司。元々は薬屋さんだったそうで、店頭には「八つ目うなぎあります」なんて看板が。


 大鍋いっぱいに煮られた鰻の肝。すごい迫力。これガブ飲みしたら火ィ吹いて1週間ぐらい走り回れそう。こうして煮てから食べられない袋の部分を取るんだそうです。


 こちらの女将さん。新潟のご出身だそうで、しばし雪国話で盛り上がりました。うちの母・フジエも新潟出身で小さい頃よく休みになると長いこと滞在してたんです。

 地元の蔵元『長命泉』さんにも伺って取材。ここの仕込み水、湧きでる井戸水を飲んだ昔の人々の病気が治った、長生きしたという伝説からこの名前になったとか。この大吟醸うまかったっす。蔵もちょっとのぞかせてもらいました。

 蔵人さんたちは岩手の農家の方々だそう。これから酒造りのシーズンですね。販売のお店には昔使っていた大きな木桶が飾られていました。そしてなぜか大きなオードリー・ヘップバーンのキルトも。

 こちら成田の名物に鉄砲漬というのがあるですね。私は不勉強ながらはじめて頂きました。中をくり抜いた瓜に唐辛子をつめて漬けたもの。あっさりだけどピリリ。いいお茶うけになりそう。

 しかしこの仕事、楽しくてねえ。
 例えば今つかった「お茶うけ」なんて言葉も日本人なら説明不要ですが、外国の方が読むわけです。「お茶うけ」と4字ですむことが、訳文だと何十字にもなってしまう。ですから「ジャパニーズ・ピクルスのひとつで、日本人はお茶と一緒に楽しんだり、もちろんお酒のおつまみにしたり…」なんて訳文と原文の分量の一致を考えながらのテキスト作成。すごく目線が変わって、勉強になりました。
 

 成田山公園の木々は色づいて雨にぬれ、しばし見入ってしまいました。この池に赤や黄の葉が落ちて、その下を色とりどりの鯉が泳ぐ。「綾錦」という言葉の意味を目で知った思いです。

 明日につづく。