東銀座『小や満』の軍鶏すき鍋ランチ

 マガジンハウス周辺をウロウロしてたら、軍鶏のすきやきなんて言葉が目に入ってきて思わず足を止める。
 このあたり、小さな二階屋の建物がまるっと残っている雰囲気のあるエリアなんですが、こちらのお店は一際「昭和感」が漂ういい感じの門構え。入ってみれば、小体な店でね。昔の映画の中に入り込んだような。かつての日本人の寸法というものを感じる。入って左手には4席ぐらいのカウンター、右に小上がりがあって差し向かい二人用の座敷、奥に4人用の座敷。熊手や神棚もあったかな。
 ちょっと薄暗くてね。ぼーっとしてると色んな面影が浮かんでくるような。

 おやじさんひとりでやってらっしゃる。真白い板前服をきちんときてらして、急須で茶を淹れてくれた。

 軍鶏のすきやき、その名前のとおりの正しい味で、お茶碗に小盛りのごはんはちょっと男には少ないけれど、ダイエットと思えばね。盛りの少ないものに当たったときは、そういうめぐり合わせなのです。摂生しろといわれているような。

 味噌汁と、おしんこで付いてきたいぶりがっこと蕪の甘酢漬けもうまかった。「秋田の方なんですか?」と尋ねると「違うんですけど、おいしかったからね」と一笑。流れる昼のTBSラジオ。時が滞留しているかのような昼の20分であった。

 歌舞伎座、1日の模様です。もうすっかりなく。昭和通りから松竹本社がみえるようになりました。