瀬戸内“S級”グルメ発表会

 国立公園に日本で初めて認定されたのは瀬戸内海なのだそうです。その80周年を記念して、瀬戸内を囲む兵庫・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛の7県が協力して開かれたイベントにうかがってきましたよ。
 瀬戸内の出身であるシェフ、飲食店経営者の方々がタッグを組んで、様々な料理・お酒が供されました。いま雑誌『おとなの週末』の仕事で愛媛の料理を調べていることもあり、うーん…勉強になったなあ。魅力的なもの、いっぱい!

地ビール

 クラフトビール、いま人気を高めていますが、有名な日本酒の『梅錦』(愛媛)さんが作る『梅錦ビール』、知らなかったなあ! コク深くて実に良かった。個人的にハマったのが『道後ビール』、これ、好きだ! これぞビールという感じのしっかりとした香りとのどごし。逞しい飲み心地で、見事でした。http://www.pref.ehime.jp/iimono/chuyo/matsuyama_dogobeer.html

<日本酒>

 先の『梅錦』も有名ですが、『石鎚』(愛媛)も人気高まってますねー。都内の日本酒居酒屋でも置くところが増えてきてます。実に豊かな米のうまみが凝縮されていて、かつスッキリと重たくない。広島の『富久長』、山口の『貴』も実にいいお酒なんですよ。写真にもアップしましたが、オレンジとブルーのラベルも可愛い『mar』(愛媛)というお酒、気候的に共通する地中海との接点を考え、スペイン料理との相性を考えて作られたものだそう。面白い試みだなー! 日本酒のボトルデザインというのも買い手拡張には重要な要素だと思うので、これまた印象的でした。

<料理>

 個人的にも好きでたまに行っている『メリ・プリンチペッサ』の江口さん、広島は江田島の出身なんですね。瀬戸内の釜揚げシラスを使ったピッツァのおいしかったこと。銀座にある広島アンテナショップ『tau』の3階にあるレストランのオーナーでもあります。

 香川のオリーブ牛のタリアータ、鳴門金時のマッシュポテト添えも良かった。すっきりとした香りのいい肉で、マッシュポテトの甘味の濃かったこと。こういうのが今後も継続的に食べられるお店があればいいのだけれど…。
 
 ちなみに「S級」とは、瀬戸内、sea,sun,soil,sprit,speciality,selectionをかけたもの。
 兵庫出身で『HAL YAMASHITA』のオーナーシェフ、山下春幸さんの
「外海でない瀬戸内の土壌は塩が優しく、ミネラル豊かな土壌が育つ。これがいい野菜を育てる。瀬戸内の水で育った野菜、その水で仕込まれた酒、その水が流れ込んだ海の恵み、これらの相性の良さをもっと伝えたい。いま、郷土の味というものがどんどんなくなっている。私はこれをもっと海外にもっていって、紹介したい」
 という言葉が心に残りました。
 
 こういう取り組みを大規模な形で協力して出来ている、というのは素晴らしいですね。

 いろいろな料理を作る上で、各地の素材、酒・調味料にはどういう個性があって、どんな特長があるのか。それを知ることでひとつ、食卓も豊かに拡がっていくだろうし、また日本人としての誇りにもつながるのではないか、と私は思っています。