神泉『九州料理 たもいやんせ』
久々に友人ムネタカから電話。
「ランチでもどうですか」
いいねえ。ひさしぶりだな。
と、思ったが、うちには食材がえらい沢山あったのだった。
ちょっと躊躇。
食ライターなんて言ってる割には、あまりにも自分で作ったことのないものが多すぎるな…そう思って、毎日あれやこれや最近作ってる。なので食材がてんこ盛りなのだ。
「ああ、今から作ろうと思ってたとこなんだよね。ちょっと食材色々買っちゃってさ…」
と、日本人なら大概この「…」という濁し感たっぷりなタメのところで忖度するってなもんだが、この男はそうはいかない。
「あ、ということはまだ食べたわけではないんですよねえ」
あの大きな目がニヤーッとしてるのが思い浮かぶ。面白いから引っ張ろうかと思ったが、向こうも忙しいだろうからサッとOKした。ははは。
この男に会うのも久々だ。昔のバイト先の後輩君。
カウンターに並んでカツオのたたきを食べつつ、あれこれしゃべる。奴は冷汁と鶏ももの炭火焼きセットだった。飯はあっという間になくなって、時間も矢のごとく過ぎていった。さーっとまた自転車で帰っていったムネタカ。
我も仕事に戻った。あたたかい冬忘れの昼のこと。