神保町『丸香』

 この日は神保町シアター川島雄三監督の『女であること』を観てきた。
 原節子ファンとして「観ておこうかなー」という軽い気持ちで行ったんだが、まあ……度胆を抜かれた作品だった。すげえよこれ。冒頭、美輪明宏が踊り歌い狂うイントロからボーゼン。私を含め観客、凍ってましたとも。
 その日のツイートから感想を。

『女であること』感想、ちょっと連投。1:冒頭、あの家って『花影』で有島一郎が住んでる家じゃないだろうか。2:久我美子はクレイジーテンパーの娘をやらせると抜群にいい。2:『晩春』が有名だが、原節子は嫉妬の情念たぎる表情が本当にいい。怖いなんてもんじゃない。節子よ憤怒の川を渡れ。

『女であること』4:東京駅ホテル、あれリアルな部屋だろうか。東京宝塚劇場新橋演舞場が映るのも興味深い。5:菅井きんが「恋がしたいわぁ。いっぺんに燃えてパッと散るような…」なんてことをのたまう。6:すると立て続けにベレー帽にボーダーのフレンチカジュアルな南美江が登場。感動。

『女であること』原節子編。1:着物が当時のモダン柄というのか、珍しい感じの着物を多様。金糸入りのも。2:かなり直接的なセリフの応酬もあり、久我美子との「衝撃的」なシーンも。これ、小津は観たかな。どう思ったろう。3:着物に黒レースの手袋! 4;串カツを食べる節子様。なんてことを。

どうでもいいんだが、『女であること』、原節子が冒頭推測3分25秒ぐらいで着物に着替えおたいこまで締める。芸能史上最速だと思う。


 帰り道、『丸香』でうどんを食べた。中休みがないのでうかがったが、学生やら勤め人でかなり賑わっていた。お汁までスーッと頂きました。練り物もうまかったぞ。