下北沢『酒党 安寅”』

 おおつごもり。

 実際には昨日の夜なんだけど、友人のユカとその彼氏のゴウ君と三人で今年の飲みおさめを行う。

 ゆく飲みくる飲み。
 

 かねてより評判を聞いていて、ぜひ行ってみたかった下北の飲み屋さんへ。ラッキーなことに当日予約が取れた。

 電話をすると
「うちはお酒とつまみを楽しんで頂くお店なんですが……」
 との旨。




 


 のぞむところじゃないの。






 いえいえお店の方仰り方は、とても丁寧で感じいいんですよ。最初に伝えてくださったほうが双方気持よくいくというもの。
 北口からすぐのお店に入れば、おいしそうな品がびっしりと書かれたメニューにまずコーフン! それぞれに「これをつまむならこのお酒がいいですよ」というおすすめが書かれてあって、



 あがる。


  

 小ヤリイカの煮物。実にいい味つけ。

 ヒラメの昆布じめとアジのなめろう、だったかな。これも実によく。

 茸たっぷりの水餃子。これもえっらくうまかった。あっちゅうまに食べちゃったよ。そのほか大根のさいの目がたっぷり入ったハンバーグ、厚切り豚肉のケチャップ炒めなんかもオーダー。どれもおいしかったなあ。

 それぞれに合わせて日本酒をすすめてもらった。
『三重錦』『水尾』『奈良萬』などを頂いたが、特に『水尾』の特別純米酒が心に残る。金紋錦という酒米を100%使ったもので、これがモロ好み!

 街角ですっごいタイプとすれ違ったとき、ってのはこういうもんですね。心に明確なそのひとのフォルムや造形が残っているわけじゃないんだけど、「素敵だった…」という面影だけが強く心に残っている。それをクリアなものとして確かめたくなってまた通い、また飲んでしまうんでしょうね。

 おいしいものを心の近い友と頂けてしあわせな年末の宵であった。ユカはテレビのディレクター、ゴウ君はラジオの放送作家。こういう職種の友人だと年末でも関係なく仕事で会いやすくていいね。しかしテレビ・ラジオ・紙媒体と三種混合な飲み会。いろんな話に花が咲き随分長居してしまった。

 そうそう、ご主人の人柄もすごく良かった。料理のかたはひとりでやられているよう。なので混んじゃうとお皿の出具合は言わずもがなだが、そこを忖度できるひとだけ伺ってあげてほしい。