赤坂『チョンギワ新館』の冷麺

韓国の国旗



 もし、あなたが蒸し暑い昼間の赤坂にいるとするならば。
 それは非常にラッキーです。
 その暑さは、最高の冷やし麺の調味料。
 いますぐチョンギワに駆け込んでください。


 
「これが冷麺っていうなら、今まで食べてきた冷麺はなんだったんだ!?」


 『美味しんぼ』の田畑さんや花村さんあたりが言いそうなセリフですが、本当に最初ここの冷麺を頂いたとき、心底そう思ってしまいました。
 写真を見てお分かりのとおり、スープを凍らせたものが浮かべてあるんですね。もちろん、冷えっ冷えなわけです。それなのに、凝縮感のある旨味がビンビンと伝わってくる。澄み切った、クリアな旨味。滋味深さまで感じられてくる。
 あああ、嬉しいなあ!


「たっぷりの野菜と牛の骨でスープ取るんです。あなた、はじめて? おいしい? よかったー」

 思わずスープの取り方を尋ねたら、韓国人の女の店員さんが、こんなふうに応えてくれました。さいごの「よかったー」でつられてこっちもニッコリ。おいしくてただでさえニヤけているのに。



 あと、麺もたまりません。韓国冷麺は蕎麦粉をつかった中細の平壌式と、サツマイモ粉から作られる極細のハムフン式のふたつがあるそうですが、こちらは後者のもの。まるで蜘蛛の糸のように細くしなやかな麺は、噛み応えもじゅうぶん。


 うまみに任せてスープまで一気に飲み干したら、頭がキーンと懐かしく痛んだ。