中目黒『La Boucherie du Buppa』

　長年の友人、ヨシダ君から「お前いま何しよん？」といういつもの電話。年に2回ぐらいこういう電話が掛かってくる。この「何しよん？」というのは岡山弁なのだ。
　はいヒマです。メシ食おうや。はいそうですね。いつもこの流れ。彼とは大昔に一緒にアルバイトしていた仲間。今彼は、レストランを経営している。

　
　ちなみにこのひと、うちから徒歩4分ぐらいのところに住んでいる。それで会うのは年に2回程度。長い友人ってそんなものかもしれない。

　「ワインが飲みたい。どこかあるか」

　皇帝のような口調がヨシダ君の特徴だ。皇帝と話したことはないが。目黒銀座のどんづまり、『トロワピエロ』が改装して名前も新しくなったこのお店に行ってみたかったので、ちょうどよかった。

「そこにしよう」

　そうだね。「朕は満足なり」といってもらえるといいけど。

　その名のとおり肉を中心としたお店なのだ。全部お店のてづくり。ジャンボン・ブラン、そのまま「白いハム」ってなもんですが、これが素晴らしくうまい……。肉の味、そしていい脂のうまさを堪能。あとブーダン・ノワールもたまらん。そして青首鴨のテリーヌが最高。テンション上がります。ジョゼ・ミッシェルのシャンパンと一緒に。

　ポロネギのグリル、ロメスコソース添え。このソース、スペインのもので、ナッツとトマトとパプリカで作られるもの。コクがあってあまやかなポロネギとよく合うねー。

　羊づくし。ガツガツ頂きました。ローズマリーきいてます。クルーニー。ソーセージも勿論手作り。

　最後はグラッパも。もっとも好きな酒のひとつ。イタリアがまだリラだった頃に行ってガンガン飲んでたらイタリア人に「お前みたいな日本人ははじめてだ。名前はなんという。ナカタか？」と言われたことがある。イタリアで中田が大活躍だった頃だ。

　「ごちそうするよ」

　さすが皇帝だ。ちょっと早いがお前誕生日だもんね、だってさ。粋なことするね、皇帝は違う。

　ごちそうさまでした。ありがとうヨシダ君。