岩手岩泉町の短角牛



 家に帰ってきてみれば。ああピンが肉ではなく後ろのハーブになっている……。
 取材のとき、メモ用に一枚撮っておくんですが、大体こんな有様に……(涙)。
 この牛肉特集、月末にはご報告できると思います。お楽しみに。これは銀座『マルディ・グラ』の岩手短角牛のグリル。何種類ものフレッシュハーブが下に敷かれて、香りを添えています。

○『マルディ・グラ』が使っている牛についての自習

産地:岩手県下閉伊郡岩泉町→短角和牛発祥の地。あの有名な鍾乳洞、龍泉洞があるあたりですね。

特色:交配も放牧も自然本来に行われ、国産飼料100%で育てられる。

 こうかくとサラッと簡単に思えてしまうかもしれない。けれど、すんごいことだよな。


一般的なエサやり→エサ屋から配合飼料を買ってきて、病気をしないように抗生物質なんか入ってて、それを時間になったらドーンとあげる。このエサに入っていた「牛骨粉」が狂牛病問題の際に話題になったのは記憶に新しいところ。

 国産飼料、つまり牧草を自分たちの手で、自分たちの町で、岩泉町の人たちは作っているのだそう。ちょっと各サイトをのぞいてみたら、見渡すかぎりの草原に広がる牧草……これの世話をして刈り取ってなんて考えたら、気が遠くなりそうだ。そういう手間ひまをかけて身元のしっかりしたエサを与えて育てられる短角牛。
 ちょい詳しくメモしとくと、こんな感じ。

〜国産飼料を100%与えた日本短角種「いわて純情プレミアム短角牛」(中略)餌にこだわって付加価値を高める。地元で生産したデントコーンサイレージを飼料重量の70%まで増やし、飼料代の軽減も目指す。
 「プレミアム」は県のブランドで、(1)放牧により母乳と牧草で育った子牛を生後7、8カ月齢で導入し、22〜26カ月齢で出荷する(2)肥育期間中は、市・町内で生産したデントコーンサイレージを飼料全重量の70%与える――のが要件。残りは国産のふすまなどを食べさせている。
日本農業新聞 2009 9/12)

 牧畜の理念というのは、
「畜産の本来の理念は、人間が食べられない草を牛に食べさせて、人間が食べられる食糧(牛肉)をつくること」
(岩泉町の「いわてスローフード協会」事務局の茂木氏コメント)
 なんだそうだ。食の住み分けですね。すごく納得。