レモングラスたっぷりの春雨スープ

タイの国旗


 『クルン・サイアム』の三軒茶屋店はひじょうにおいしい。
 タイ料理というと、

1:しょっぱさが変に際立つ
2:辛さが変に際立つ
3:甘ったるさが変に際立つ

 この不自然な三角形が味に目立つところが異様に多い。
 本来のおいしいタイ料理というものは、素材の味が素直に活かされたものだと思う。ナンプラーとフレッシュの唐辛子、そしてマナウをはじめとする柑橘系の爽やかな酸味は、素材の味を引き出す素晴らしいタイ独得の調味料なのだ。そういう味には、滅多に出会えない。しかしタイ料理屋って増えましたねえ。濫立、といっても過言ではない。グリーンカレー、ガパオご飯が「カフェ」などの定番メニューになるなんて、10年前に予測できた人がいるだろうか。

 さてこの三茶の店は、先に書いたような尖った味つけのない素直な味わいの一軒。散々偉そうなこと書いてますが……あはは、この料理の正式な名前忘れちゃった。チム・チュム……というような音だったような。ごめんなさいごめんなさい。
 レモングラスたっぷりの清々しい香り、酸味のきいた野菜たっぷりの春雨スープ。ランチで頂けますが、胸がスカッとしますよー。タイ料理狂いの私にとって至福のランチ、それがクルン・サイアム三茶店。ここのシェフ(厨房をのぞいたら、50代ぐらいの女の人と若い男の方が作っていらした。どちらもタイの方だった)、どうぞ長くいらして頂きたいものだ。