あれは一本50円だったか

ひのまる


 肉屋の焼鳥ってのが好きだった。
 あの紙なんだかビニールなんだか分からない木目プリントの袋に「あらよっと」てな感じで突っ込まれる焼鳥。タレ、ベッタリ。あまじょっぱいタレの焼鳥が、ああ、好きだった。

 写真は三軒茶屋、いわずもがなの人気店『とり石』の焼鳥。肉もおおきい。野菜もいい。うまくて安い。でも、こういう焼鳥を食べるたび、いつもガキだった頃に親にせがんだ焼鳥を思い出す。肉はちょいコゲ、ネギなんか真っ黒だった、しょぼい焼鳥。でも、好きだった。


 今度は焼鳥特集なのだ。甘い醤油ダレの焼鳥ってのも日本独特のもんだよなあ。東南アジアのサテとかと通じるアジアのもの。中国だと串焼きってのはどうなんだろう。ちょっと調べてみよう。
「とり石」はオムライスもうまいらしい。今度食ってみっか。