『ジャッジョーロ銀座』
師と仰ぐS先生が「たまにはごはんでも」と誘ってくださり、銀座へ。
世界最古の薬局、「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のコンセプトによるイタリアン『ジャッジョーロ銀座』に行ってきました。
HPによれば、「自然治癒や予防医学をもとにしたリストランテ」なんだなこれが。
この「サンタ・マリア・ノヴェッラ」、イタリアはフィレンツェの教会が1221年にはじめた薬局なんだそう。なんと788年前! 日本なら鎌倉時代、承久の乱があった年だ。
「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」
修道僧が薬草や香草を摘み摘み、その薬効・香りの効果を研究したことがはじまりのファーマシー。最近では日本の百貨店などにもショップが入ってるんですね。
参照→http://www.santamarianovella.jp/7negozi/7negozi.html ティーサロンなんかもある。
HPに書かれてあるとおり、「安全な食材をシンプルに出す」こういうお味。いっそのこと「イタリア伝統の修道士・修道女の食事」みたいなコンセプトにしてくれちゃったほうが返って存分に楽しめるかも。「日本でいう般若湯のように、イタリアではワインを※※と呼んで修道士も楽しみます」とかなんとか。
写真はカルボナーラ。なんと贅沢、烏骨鶏で作られてます。病後に精をつけるによさそう。カルボナーラといえば、伊丹十三さんが昔「うまいが労働者の食い物」と断言されていたのを思い出す。
磯の鮑の片思い。こんなフレーズが口をついて出る自分が嫌です。出典もよく知らないのに。
黒鮑、柔らかくて素晴らしいクオリティでしたが、自然治癒と予防医学と鮑がどのように関連してくるのか、そういった説明パフォーマンスは一切ないのですね。いや、店員さんはものすんごく感じが良くて丁寧なんです。
けれども、どうしてこのメニューがユースケ、じゃないサンタ・マリア・ノヴェッラ的に「あり」なのか、そこんとこを説明してくれるとより「知的好奇心」も満たされるというもの。
前菜からパスタ、そしてメインを構成する段階で、その組み合わせがもたらすと考えられている食効を、トーク・パフォーマンスとしてサービスの人間が出来たら面白い場所になるのになあ、と思った次第でした。