チャーハンのミソは?

 チャーハンがうまくできた。ひとりほくそ笑む。
 以前、神田の『神田雲林』(かんだゆんりん)のご主人が仰っていたけれど、「うまいチャーハンの決め手はやはり米」という。卓見だと思う。
 「うまいチャーハン」というのは、そのまま食べてもおいしい米を、わざわざ炒めたり味つけしたりしてなお、意味のある料理じゃなくちゃいけない。単なる「チャーハン」というのは、冷えちゃった米をどうにかする手立て、という意味でもいいのだけれど。

 雲林さんのような腕前あるわけないんですが、いろいろ教えてもらったポイントを思い出しつつ、鍋を振る。おっと、振っちゃいけなかった。
「家では火力が違うから、鍋を振ってやたら火から離さず、そのままヘラで炒めて」
 このアドバイスを守るだけで、確かにパラッと仕上がるもんですね。料理はまず素直が一番。

 ネギと卵だけのチャーハン。赤頭葱をみじんにしてカラッといためたら香ばしく出来上がった。


 ちなみに米は母・フジエの実家、新潟・新発田産の「こしひかり」。
 炊き立ては飯の友と一緒に存分にかっくらう。次の日はチャーハンに。こう書くだけで幸せな気持ちになる。久しぶりにひとり御飯のおかわりなどしている夏。隣には扇風機。