インドのラッサム・スープ

「インドのお味噌汁みたいなもんですよ。
毎日飲むしね、向こうの人」
とあるコックさんが、そう語っていた。
以前、南インド料理を特集したときに出会ったのが、
このラッサム・スープ。
さっぱりしていて、酸味が爽やかで、たまに、すごく飲みたくなる。
コックさんは続けていった。
「ラッサムはね、家によって具や味つけが
みなそれぞれ違う。そういうところも、味噌汁みたいだね」


「これはね、うちのほうのやりかた」
取材したどのレストランのコックさんも、口を揃えてこう仰る。
インド料理に限らず、料理を取材するとき大事なことは、
「定義を急がないこと」
これだなあと改めて実感。


とはいえ、基本ベースはそりゃあるわけで。
このラッサムは、トマト、ニンニク、タマリンドがベースのスープ。
それらの比重が、土地で様々に変わるよう。あと、汁気の度合いも違う。
トマトとタマリンドのフレッシュなすっぱさが爽やかで、口当たりが軽い。
そこに、ペッパーとカレーリーフの香気が漂う。


写真は京橋「ダバ・インディア」のもの。
ランチのミールスについてくるほか、
カレーランチに100円でトッピングできる。
いつにもましてボケた写真で、すいません。
(文=白央篤司)