中目黒 『波心』



 過日、中目黒『波心』でランチ。
 ここは蕎麦と鴨をメインとした和食屋さんなんですが、ランチは蕎麦が中心。先ごろから「ランチは蕎麦・大盛り無料です」と張り紙をしだしたので気になっていたのだ。
 うーん……いいじゃないのその心意気。私は、どんなに世が「名店」と評価しようと「三かき」もすれば笊(ざる)が見えてしまうような蕎麦は嫌いだ。
 
 和服によれた「つくり帯」のオネーサンに「もり」なんか注文すると、
「あの、男性の方は最初から二枚頼まれるかたがおーございまよォ」
 オホホ、なんていわれることがある。ご親切にすみませんねえ、あら帯締め垂れてますよ。

 私はこの手の「おいしいかもしんないけど量のやったら少ない蕎麦屋」と「うまいんだけどえっらい高い洋食屋」ってのが苦手だ。どちらも、どーにも居心地のよくない店がヒジョーに多い気がする。
「(量が少ないと思われようとちっちゃいコロッケふたつで3,800円だろうと)いーーーんですウチはこれで(みなさんご満足頂いてますからッ)」
 そんな声が店全体から聞こえてくるかのようでねえ。「文句あるならこなくて結構」、そんな「切り口上」を不思議に感じてしまうんですね、先のような二店からは。


 話が思いっきり逸れている。
 友人・ムネタカから昼食の誘い。チャリをスッ飛ばしてヤツはやって来た。すごくいい役がついたんだそうだ。良かった良かった。

 お蕎麦ですが、この日私はまたちょっと風邪っぽくて鼻が利かない。なので味については控えます。舌先にセロテープを貼られたような気持ちになるというか、味が鼻に抜けないのはさびしいなあ。
 毒消しじゃないけれど、蕎麦湯にワサビを多めに溶きたくなった。お願いしてみたら、ネギとおろしもどうぞ、と気持ちよくお代わりさせてくださる。スラッとしたお姉さんの対応が「ベトつかない優しさ」で、快かった。

 ごちそうさまでした。