番外編 「熱」のときに食べたもの

 熱が下がってきた。

 今回感じたこと。何度も同じようなことを感じてるがおさらいの意味をこめて。

○フト気が抜けたとき、心持が弱ったとき、体調が崩れる。そのシステムとは。

○「やまい」ってのはすごい暇人なのだ。きゃつはずっと「わたし(あなた)」につきまとっている。「元気」という名のバリヤーをみないつもは張っているんだけど、それが「はがれないかなー、はがれないかなー」と常に24時間不眠不休体制でまとわりついて伺っているのだ。なんという暇人だろうか。

○今回ちょっとしたことで私は落ち込んだ。そのとき「バリヤー」がはがれた。するりと入り込んできた。今回の暇人は「熱」という名前だった。

○こいつは「くすぐり魔」だ。たまに体のあちこちを「サワサワッ」とさすったりして、そのたびに総毛立つような気持ちになる。一番イヤなのは関節だ。特に肩と肘の骨と骨の間を「歯間ブラシ・柔らかめ」みたいなもので、「スリッ」といらわれると、本当に気持ちが悪く、寒気までする。「熱」というやつは変態だと思う。

○「熱」というやつは洗剤メーカーから多額の謝礼を貰っていると思う。夜中、私は何度も汗でぬれた服を取り替えては洗濯機に放り込んだ。タオルケットとシーツを考えたら、明日は洗濯機3回はまわさねばなるまい。変態で賄賂を貰うような人格なんて許せない! 実社会でもたくさんいるか。

○人によっては先の「バリヤー」のことを「うしろの百太郎」とか呼んだりする。

○今回はめずらしく「食欲」がまったく起こらなかった。それが怖かった。体が「どうやって闘えばいいの」とSOS信号を出している。しかし私のバディはタフであった。「VC3000のど飴」と「アクエリアス」と「アイスクリーム」、そして「葛根湯」で「熱」は帰っていってくれた。こんなオッサンを何回も汗まみれにして声が出ないほどにノドを痛めつけて体中ザワザワとくすぐり倒してようやく満足して帰るなんてなんちゅうド変態だろうか。

 ああ、疲れた。シーツがクサイ。洗おう。