京橋 『とり安』

日の丸



「だーかーらー、A定食が4つでBが3つだって言ってんだろ!」
「ええぇ? さっき違うこと言ってたじゃないの」
「ゆってないんだよっ! いいからサッサと持っていけよお!!」

 スリリングでエキサイティングな罵声が飛び交う京橋『とり安』でランチ。
 焼鳥屋さんですが、ランチの揚げものがなかなかでhした。味噌汁とご飯がおかわり自由で、サラリーマンでいっぱいです。写真は日替わりでエビコロッケと鳥チーズの串揚げセット。800円だったかな。
 それはともかく。

 ここのご亭主と奥さんなのかなぁ……女の店員さん(共に50代後半ぐらいか?)が、それはそれは素敵な怒鳴りあいをされていました。白央ビックリ。でも周囲は常連さんなのかヘーゼン。店員さんもどこ吹く風というか。いかにも「いつもこーなんです、うち。気にしないでくださいねー」という感じなんだなあ。
 怒りのオジサンもコロッと笑顔に戻ったかと思えばまた唐突に「そうじゃないんだよっ!」と怒鳴りだしたり。オバサンも「馴れっこ」という感じで受け流していくんですね。最初はビックリしたが、
「あ、こーいうコミュニケーションのひとたちなのね」
 と、すぐ分かって、なぜかねえ……笑っちゃったというか、なんだかね、ほほえましいのですよ。古いイタリア映画に出てくる下町夫婦みたい。ネオ・リアリズモな焼きと鳥ランチ。

 名物という「鳥の佃煮」(サービス品)がいい。ひと口食べると「うわーしょっぱー!」ってな味だが、正しい「飯の友」だ。学生時代を思い出して白メシをがっこがっこ喰らった昼餉。