中目黒 『後楽寿司』

日の丸


 中目黒ピープルの間で評判のいい「後楽寿司」。ランチに行ってみる。
 目黒銀座中ほどをちょっと左に入ったところにある古いお店。まず最初に出された巻物からうまかった。カッパ巻きのフレッシュ感に、唸る。一度に全部握ってだすのではなく、ちょこ、ちょこ、出してくださるのも独酌派には嬉しい。これで1000円ランチ。
 ただこのお店、愛想というものとは無縁。いや、文句じゃないんです。ここまで一見にシステマティックに潔いと返って気持ちのよいもの(本当にそう思っている。そういうのが気にならない人もたくさんいるだろうし)。
 市川笑三郎渥美清を足して2で割ったような面相のご主人と、顔は山田スミ子(『家政婦は見た!』の市原悦子の家政婦仲間の一人ね)、体は上沼恵美子感のある奥さんのふたりでやってらっしゃる。
 不愛想に「ハラ」がないのがいい。あ、もともとそーいう人達なのね、私だからじゃないんだよね、という感じ。「ナチュラル人見知り」な感じ。
 ご主人に最後、本当にそう思ったので「おいしかったです」と伝えたらテレたように破顔一笑。ああやっぱり人見知りというか不器用な人なんだね、とひとり勝手に納得。奥さんは明後日のほうをご覧になりながら「ありがとうございましたー」といい声で仰っていたけれど。
 ここの長年の常連、A嬢(四十代半ば)によれば「あれでもそーとうアイソ良くなったほうよ」とのこと。ふふふ。