お菓子の「ババ」とは?

青は「自由」


 おっ、サヴァランだ。好きなんだよなー。
 しかしショーウィンドウのプレートには「ババ」の文字。え、ババ? 
「すいませーん、ババってなんですか?」
 店員さん、ひとこと。
「サヴァランですよー」
 あはははーやっぱりー。って、おい。


 ともかく買ってみました。一口食べればにじむビターなラムシロップ。甘いクリームと合うねえ。やっぱサヴァランじゃーん、と思いつつ色々検索すると。


 製菓講師の下井美奈子さんという方の解説。


1:仏菓子のサヴァランと違ってイースト菌ではなくビール酵母を使って生地を発酵させる。
2:元はポーランドの伝統料理らしいが、ナポリでも古く伝わる伝統菓子として有名。


 彼女はナポリのマンマに直伝で習ったのだそう。ナポリではリモンチェッロで浸すこともあるんだとか。それもうまそう。


 菓子研究家・下園昌江さんの解説。


1:1700年代後半ポーランドの王様スタニオラニス・レクチンスキーのおかかえ料理人が作り出したもの。もともとはラムシロップには漬け込んでいなかった。
2:この王様が追放され、フランス・ロレーヌを拠点に。ここでラムにつけたらうまかったので現在のような形に。
3:ロレーヌ生まれのパティシエ、ストーレーが現在のように改良した。
4:一般的にババはコルクの形をしていてレーズンが入っている。サヴァランは丸くてクリームが添えてあるもの。


 じゃあ今日のババはサヴァランじゃん! と軽挙はいけませんね。色々調べないと。ちなみに「ストーレー」のお店はまだパリに健在で、あのトシ・ヨロイヅカが研鑽を積んだ店でもあるのだとか。シナモンほら大人しくしてなさい。
 ちなみに仏辞書「ロワイヤル」によると
「baba:(ポーランド・男性名詞)baba au rhum ラム酒入りシロップに浸したレーズン入りイースト菓子」
 という、下井さんと下園さんの説をうまくまとめたような説明が。訳わかんなくなってきました。あ、ちなみに「(俗)女性の尻、性器」という意味も。うーん。babaって日本の関西だとまたえげつない意味もありますからね。
 なんだかイヤな終わり方ですが、以上「ババ」の自習タイム終わり。


(写真のババは中目黒「カカオエット」のもの)