日本酒飲もうよ

日の丸



「私、日本酒はダメなんですよぅ。かっならず悪い酔いしちゃってぇ」
「日本酒はキケンだよねー、次の日残るからさぁ」


 飲み屋のカウンターでひとり、私がもし苦虫を5千匹ぐらい噛み潰したような顔をしていたら、こんな会話を耳にしてしまったときです。


「いいえ違います。それはあなたの選んだ酒が悪いか、飲み方が悪いのです」


 などとひとり呪詛を呟いてしまう。
 どーーーーーーーーしてこんな通念がまかり通っているのだろう。私だってさして日本酒に詳しいわけじゃない。でも、やっぱり不当だ、差別だ、偏見だ! 
 と、イキリ立っちゃうのも野暮なんですが……お願いだからさぁ、日本酒で二日酔いになったからって「日本酒すべて」をワルモノにしないで頂きたい。


 最近だと、
「もーワインで二日酔いなっちゃってさあ。でも、私が飲んだワインが悪かったのかもねー」
 なーんて異国の酒には随分寛大な人、わけ知りな人、多−いじゃないか。日本酒にもその万分の一の情けと興味を持ったらどーなんだ!? 日本酒ほどフレキシブルに色んな料理に合う酒もないんだぞーっ!


 この変なテンションとアグレッシヴさには訳がある。
「売れなくてね……」
 とある蔵元が、お酒造りを辞められることを聞いてちょっとショックを受けているのだ。


 日本酒、もっと飲みましょうよ。



 金沢・鹿野酒造の『常きげん』をお土産に頂きました。これをイッパイやりつつ、上のようなことをいろいろ考えてみたり。
 名杜氏・農口尚彦さん黄綬褒章受章記念の一本。
 うまかった。こんないい酒をゆっくり飲む会を、「苦手と称する人々」とやってみようか。




○私信
 ムネ、ありがとう。ごちそうさまでした。