NIGHT AND DAY

いうまでもなく

駒場東大前の「菱田屋」は
昼も夜も、いつも混んでいる。


お昼は定食屋で、夜は居酒屋となるこのお店。
ひとりで来る人、二人連れ。
学生たちの4人連れ、会社仲間の6人組。
老若男女様々に、昼も夜も混んでいる。




入れば、右側の壁に日替わりメニューの書かれた黒板がある。
刺身、焼物、煮物に炒め物。店主のその日の気分なのか、
洋食やエスニックなんかも品書きに並ぶ。
この黒板を見つめる客の目が、いい。
みんな席につくと、一様に首を伸ばして黒板に目を凝らす。
以前、右壁側に座ったら
私の頭を通り越してみんながこっちを見ているのが面白かった。
昔のフィルムでみた「街頭テレビ」を見つめる人々の表情が思い出された。



あれも食べたい、これも食べたい。
食い入るように品書きを見つめる時間ほど楽しいものはない。
これこそ、私にとっての(オーバーなようだけど)レジャーなのだ。
そう思わせてくれる店のメニューは、「エンタテインメント」だとすら思う。



一応学生街なんだけど、昼も夜も大人と子供は半々ぐらい。
夜は特に呑み助が集う。カップルで来る人も、親子連れも。
サラリーマン同士に、私のようにひとり酒も。
そんなバラバラなメンツにあわせるように、
つまみっぽいものも多いし、チャーハンに焼きそばなどのメシものも。
冬はひとり鍋もやっていた。



「ご飯大盛り」
そういうと、「まんば日本昔ばなし」に出てくる
山のようにな白飯が見られる。
学生たちがそれをカッ喰らってる姿はみもの。
箸が茶碗に当たって、かっ込む音のリズムの良さ。
みんな、額に汗がにじんでいる。
たらふく食った、という顔で帰っていくのを見つつ、
また一杯。




ごちそうさまでした。



□菱田屋
写真でおわかりのように、つまみは様々。大体、刺身、煮物、炒め物、揚げ物、焼き物が2〜3品ずつそろい、プラス店主の今日のひらめきと気分で、生春巻があったり、グラタンがあったり。写真の中の「麻婆茄子」は塊りの肉を包丁で荒くひき肉状にしてあってヒジョーにうまかった。辛味も朝天椒を使ってたりと、ご主人のうまいもん好きがビンビン感じられる。量はどれも一般的な分量の1.5倍ぐらいと思ったほうがいい。夜は「ご飯セット」で定食だけでも楽しめる。予約不可。