バーバラ寺岡さんは反対するでしょうが


生野菜がどーーーーーにも食べたくなったので、ひとりサラダを作る。
あ、タイトルの意味分かる方っているんでしょうか……。
確か大昔、料理研究家のバーバラ寺岡さんが
「生野菜は体を冷やす、むやみに食べちゃダメ!」
みたいな論旨で本を書いていたような。
母・フジエの本棚にそんな本が並んでいたのを、なんとなく覚えている。
そりゃ、検索かければ一発で分かるだろうが、
おぼろげな記憶で書く愉しみ、というのもある。
なんでもかんでもすぐ分かってしまうのは、味気ない。


しかし……母・フジエの書棚には健康関係の本が多く並んでいた。
酢大豆・プルーン・クロレラクエン酸……。
みな、私が小学校低学年ぐらいに世間ではやった健康もの。
フジエはすぐ、この手のものに飛びついていた。
そしてその一連のブームは、否応なしに私も強制参加であった。
「体にいいのよ、食べなさい!」
これがみな判を押したように食べにくいこと。良薬口に苦し……なのか!?
すっぱいなんてもんじゃないクエン酸クロレラの錠剤を大量に飲み込むつらさ。
そして酢大豆の衝撃的な不味さ……。ああ、思い出すだに涙が出る……そう、フジエは
「食品版・ビリーズ・ブートキャンプ」みたいな人であった。
大体10代前半の体に、かような健康食品の投入は必要なのであろうか……。
このへんのことはまた別の機会に詳しく。


あ、サラダのこと全然書いてない。
前にも書きましたが、東急PLAZAの地下にある「渋谷市場」が安くて嬉しいったらない。
その日によって特売も違うが、今日はクレソン、サラダ菜、ミニトマトを買って400円ぐらい。
うちで余ってたルッコラブロッコリーを加え、
これだけじゃつまらないので、ワンタンの皮を細く切って揚げてみる。
さらに正月から余らせてたお餅、これも小さく切って揚げて。
バルサミコとオリーブオイルで味付け。
さて、いただきます。


(文=白央篤司)