バレンタインデーにイクラどんぶり

むらがる・むらがる。
世はバレンタインなのですね。昨日渋谷駅にいって、イヤハヤ、まー驚いた!
西原理恵子流にいうと、婦女子の皆さんが特設売り場で「ごんずい玉」のようになってます。
すすめない。「すいません」って、いえない。なぜなら、皆ちーょっと殺気立っている。
気圧(けお)されました。


なんていうか……「飢えてないのに、餓えている人々」という
フレーズが脳裏に。なんだか上からだな。すいません。
でも、わからないなあ。並ぶこと、混んでるところが私は一番嫌いなので、理解に苦しんでしまう。
まあ簡単にいえば、群集心理なのだろうけれど。
あれですかね、正月恒例、主婦の「福袋争奪戦」のような感じなんでしょうか。
「はい話題モノひとつゲットー! さあ次いくわよー!」ってな、ある種の「快感」があるのだろうか。


ちょっとしたロール・プレイング・ゲームをやるような喜びがあるのかもしれない。
町の人に聞き込み→「どこそこの塔には銀の鍵がある」→「塔には魔物がいる」→倒してゲット!
よろしく、
ネットや雑誌で下調べ→どこそこのチョコは絶品→しかし予約不可・並ぶこと確実→いちはやく駆けつけゲット!
みたいな感じだろうか? 
「ゲームなんて実利ないけど、チョコや福袋は実際に美味しかったり、得じゃない」
女の人は仮想上のものには興味ない、というのが私のひとつ持論なんですが、
男がRPGゲームに熱中するヨロコビ、実は彼女たちも福袋やバレンタインで感じているのだろうか。


などと考察してる時点でえらいモテない男という感じですね……。実際そうなのだけれど。
そのとおり、ここ二日間ぐらい出かけずに原稿を書いてばかり。
しかし、イチニチ出歩かないってのはいいもんです。
冷蔵庫の中の溜まっていたものが、減る減る。これは嬉しい。


冷凍しておいた瓶詰めイクラをジックリ解凍して
どんぶりメシ。
海苔を半分に折ってササッとコンロで炙ってパラパラ。
この作業、なぜか好きだ。


海苔巻きも作ってみたり。
食い過ぎだよ。

(文=白央篤司)
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